美味しい玄米ごはんを炊く

(伊賀有機農産地場ニュース2013/4/5掲載)

本当に美味しい玄米ごはんを炊くには、いくつかコツがあるのも確かです。
なぜ、そうするのかということも気になりますよね♪

1 玄米を洗う
玄米はワシワシ「とぐ」のではなく優しく「洗う」のが基本です。洗い方は二通り。
【すくい洗い】水をはったボウルに玄米を入れたザルをゆっくりとつける。底から、両手の指でふわりと米をすくい上げ、ボウルの中で躍らせるように柔らかく全体を洗う。米を割らないように、優しく。水を変え3回繰り返す。粒の立った、噛み応えのある玄米に仕上がります。
【拝み洗い】「生体エネルギーが高い」といわれる両手のひらに、玄米を合掌するように挟んでもみ、気持ちを込める洗い方。マクロビオティックで最初に習います。擦り合わせるときは、米を割らないように優しく。

どんな洗い方でも構いませんが、玄米は播けば芽が出る「生きているお米」です。
洗米の段階で「吸水」の1/3が終了します。
よいお水を使い、丁寧な気持ちで洗うことで味がスーっと洗練されます。

2 洗った玄米を十分に浸水する
「お米は、自分の容量の約130%の水を吸う」つまり、100ml のカップ1杯の米を炊くには、トータルで、130mlの水が必要なのです。
しかし、実際に、①無吸水、②4時間~8時間吸水(一晩)、③もっと長く吸水させ、発芽玄米にする、など様々な方法があります。そのどれもが間違いではなく、炊飯に使う道具と水加減で、それぞれの良さや美味しさを追求できると私は考えます。
※よくいわれる玄米によるフィチン酸の害?の対処として、発芽させるという考え方があります。詳しくは別の機会に譲りますが、個人的には種子類は全て発芽抑制因子を除く方法(発芽させてから炊く)を私は現在選択しています。

3 自然塩を入れる
炊く前に必ず、ひとつまみの塩を入れます。玄米独特の苦味成分・カリウムが塩のナトリウムで中和され、炊き上げたときの風味がよくなります。鍋の中に塩を入れると海水に近い状態になります。 海の水と陸の米が鍋の中で出会い、自然界のエネルギーの流れと同じ循環を作るのです。その循環の中で炊き上がった玄米を食べると自然治癒力が高まるといわれています。これを一言で表すと「美味しくなる」のです。

4 炊く
主に、4つの方法があります。①玄米炊きモード付き炊飯器、②圧力鍋、③土鍋、④ステンレス多層構造などの厚手鍋など。
私は、以前は②圧力鍋で炊いていました。現在は③土鍋で炊いています。圧力鍋で炊くと、柔らかくモチモチして食べ応えがあります。炊きたては、ごま塩と梅干だけで満ち足りる。そこへ、土鍋の登場。これで炊くと、さっぱり香ばしく炊きあがります。圧力がかかっていないので、ヘンに粘らず歯ごたえはプチプチ心地よく家族みんな笑顔です。特に、玄米ごはんが重たく感じる春夏は私も断然こちらが頼りです。おこげがまたgood!
炊飯時の水分量は、土鍋の場合、米の1.5~1.8倍の水。圧力鍋なら1倍~1.2倍が目安です。
火加減は、土鍋なら沸騰してから極弱火で45~55分、圧力鍋なら弱火で20~25分位を目安に炊き上げます。蒸らしは、土鍋なら20分以上、圧力鍋なら蒸気が完全に抜けるまで。その後、天地を返し空気を入れます。お手持ちの道具によって少しずつ時間や火力は違います。冬と夏でも加熱時間が変わります。美味しく味わい深い玄米ライフを探求しましょう♪